Zorin OSをインストールした
はじめに
これも前回の記事と同様に3ヶ月ほど前に行ったことの記録となります。
WindowsとUbuntuのデュアルブート化をするだけして使っていなかったノートPCを、Windows単体に戻そうとして誤ってブート領域を飛ばしてしまいました。そのため、いっそのことLinuxのPCとして利用していくことにしました。今回選んだLinuxのディストリビューションはZorin OSです。
この記事では、まずLinuxというOSについて軽くまとめて、それからZorin OSのインストールとその後の自分用に環境を整えるまでを書きます。
LinuxというOS
LinuxとはどのようなOSなのでしょうか。そもそもLinuxとは狭義には「Linuxカーネル」なるもののことを指すようです。カーネルとはOSの中核をなす部分で、メモリやCPUなどのハードウェアとのやり取りの管理や、プロセスの管理、システムコールなどの機能を提供します。Linuxカーネルのそのようなカーネルのうちの一種ということになります。
通常、ユーザが直接カーネルを操作することはありません。カーネルを操作する際はシェルを介して行われます。シェルというとターミナルエミュレータで利用するBashやZshを想像するかもしれませんが、シェルというのはもっと広い概念になります。たとえば、エクスプローラでのフォルダ操作やデスクトップ環境そのものもGUIのシェルといえます。WindowsやMacなどのOSを思い浮かべるとデスクトップ環境自体がOS固有のものに思えるかもしれませんが、Linuxでは変更可能となっています。
カーネルだけではLinuxを実用することはできません。各種ライブラリやシステムソフトなどの関連パッケージが必要となります。それら必要なものを揃えた上でさまざまな設定までかわりに済ませてインストールできるようにしたものがLinuxの各ディストリビューションと呼ばれるものです。ディストリビューションは略してディストロと呼ばれることもあります。さまざまなディストリビューションが存在し、有名所ではUbuntuやCentOSなどがあります。まとめるとLinuxカーネルと周辺パッケージや設定の組み合わせである各ディストリビューションがLinuxのOSとして認識されているという状況です。
ディストロには必要最低限のパッケージしか入っていない硬派なディストロから、使いやすいようにさまざまなものをインストール、設定してくれているディストロまであります。今回インストールしたZorin OSはいろいろと整えてくれている方のディストロです。Ubuntuをベースとしているのでインターネット上のUbuntuの解説記事なども活用できるため扱いやすいです。
ZorinOSをインストールする
Zorin OSの公式サイトは次になります。
Zorin OS - Your Computer. Better.
インストールの手順は次のページがわかりやすく解説されていました。
Windows PCにLinuxをインストールして再利用する (2/2):中古PC活用 - @IT
RufasでUSBメモリにISOイメージを焼き込み、そこからブートしてインストールします。インストール自体はインストール用のウィザードの案内にしたがうだけで簡単に終わらせることができました。
環境を自分好みに整える
最初にターミナルを開いて次のコマンドでパッケージのアップデートをします。
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
ここからは普段自分が利用するパッケージなどを追加していきます。以下、私が追加でインストールしたものを羅列していきます。
Vivaldi
Chromiumベースのブラウザです。標準でさまざまな機能が入っている他、Chromeの拡張機能が使えて便利なのでメインブラウザとして利用しています。Web上からパッケージをダウンロードしてきてインストールしました。
Dropbox
クラウドでファイルを共有するためにDropboxを入れます。私はDropboxに普段のメモ書きをmarkdown形式で保存しています。Dropboxによって、このサブPCからもそれらのメモ書きを編集できるようになります。
Terminator
ターミナルエミュレータです。タブなどの機能が使えるため、標準のターミナルの代わりに入れます。F12キーで表示非表示が切り替わるようにショートカットキーを設定しておきます。
Git
バージョン管理システムであるGitをインストールします。Ubuntu16.04ベースのZorin OSでは、単純にsudo apt install git
すると古いバージョンのものが入ってしまいます。"Ubuntu Git Maintainers" teamがこのために最新版のGit用のリポジトリを管理しているようなので追加します。
$ sudo add-apt-repository ppa:git-core/ppa
$ sudo apt update
$ sudo apt install git
これで最新版のGitがインストールされます。
fish shell
シェルは標準のBashの代わりにfishを使います。補完などの機能が標準で搭載されておりとても使いやすいシェルです。こちらもsudo apt install fish
とするとバージョンの古いものが入ってしまうので、次のコマンドでインストールをします。
$ sudo apt-add-repository ppa:fish-shell/release-2
$ sudo apt update
$ sudo apt install fish
$ sudo chsh -s `which fish`
fishには便利なプラグインがいくつか用意されています。プラグインマネージャであるfishermanを最初にインストールします。
$ curl -Lo ~/.config/fish/functions/fisher.fish --create-dirs git.io/fisherman
その後、fishのテーマといくつかの拡張機能をインストールします。
bobthefish
Powerlineに対応したテーマです。Powerlineに対応したフォントを使うとよい感じの見た目になります。
$ fisher install omf/theme-bobthefish
z
ディレクトリの移動履歴から移動候補を表示してくれます。z 文字列
のあとにTabキーを押すと候補が表示されます。
$ fisher z
オートコンプリート
fishはオートコンプリートをmanをもとに自動生成してくれる仕組みを持っています。さまざまなコマンドをインストールした後には次のコマンドを実行します。
$ fish_update_completions
ghq
ghqはGitのローカルリポジトリを管理するコマンドです。goをインストールしghqをインストールします。
$ go get github.com/motemen/ghq
ghqを便利にするため、fzfとfishの拡張機能をインストールします。
$ git clone --depth 1 https://github.com/junegunn/fzf.git ~/.fzf
$ ~/.fzf/install
$ fisher fzf
$ fisher decors/fish-ghq
これでターミナル上からショートカットキーCtrl-g
を利用してghqのリポジトリを簡単に移動できるようになります。
fnm
fish shell向けのNode.jsのバージョン管理システムであるfnmを入れます。
$ fisher fnm
次のコマンドで最新版のNode.jsが入ります。
$ fnm latest
hexo
ブログの作成に利用しているhexoをインストールします。npmからhexo-cli
をグローバルインストールします。
$ npm install -g hexo-cli
Remmina
リモートデスクトップのクライアントソフトウェアです。メインPCのWindowsをリモートデスクトップで操作しています。細かな設定ができるので重宝しています。
おわりに
Zorin OSのインストールによって、使われていなかったノートPCが優秀なサブ機として生まれ変わりました。ちょっとしたテキスト編集などの作業のほか、リモートデスクトップを利用してベッドや隣の部屋などからメインPCを触ったりするのに地味に役立っています。